toyotaro's

システムの検証メモを中心に、学んだ事や思った事などを備忘録として書いていく

Device Enrollment Program(DEP)の備忘録

 

Device Enrollment Programとは

Appleが提供するiOSデバイスのセキュリティ管理を強化する無料サービス。

略してDEPと呼ばれる。ざっくり出来ることは次の2つ。

  • 購入したデバイスとMDMを強制的に紐づけることができる 
  • より高度なポリシーをデバイスに適用することができる

注意

利用するためにはApple Business Manager(ABM)またはApple School Manager(ASM)への申し込みが必要。以降はABMを前提として記載します。

開設後に、販売店へDEPを利用する旨を伝えれば調達したiOSデバイスがABM上に反映されてくる。

基本的に購入後のDEP対応は不可。Apple Configuretor 2を使って頑張るしかないらしい。

メリット

ざっくりメリットは次の6つ

  • MDMへの自動登録
  • MDMへの強制登録
  • MDMプロファイルの削除禁止
  • 監視対象モードの有効化
  • iOSデバイスの初期設定画面のスキップ
  • MDM登録時のユーザー認証

DEPの利用開始

STEP1 「Apple Business Manager」の申し込み

販売店からではなく自身で申し込む必要がある。

既に「DEPお客様ID」を持っている場合は新規登録は不要。

新規申し込みする場合のABMの申請手順は以下のページがとても分かりやすい。

kenchan0130.github.io

STEP2 「デバイス申し込み」と「DEP申し込み」

販売店への申し込み時にはDEPを利用する旨と合わせて「DEPお客様ID」が必要。

申し込みを受理すると、販売店がDEPにデバイスを登録してデバイス納品と完了通知(注文番号やシリアル番号一覧など)という流れになる。

納品されたデバイスはSTEP4が完了するまでは初期設定してはいけない

注意

DEPにデバイス登録されるまで1週間くらいかかるケースがあるのでギリギリだと試合終了。

STEP3 「MDMサーバー登録」と「デバイスにMDMサーバーを割り当てる」

MDMサーバー登録
  1. MDMからサーバー公開鍵をダウンロードする
  2. DEPにサーバー公開鍵をアップロードする
  3. DFPからDEPサーバートークンをダウンロードする
  4. MDMにDEPサーバートークンをアップロードする
デバイスにMDMサーバーを割り当てる
  1. DEPに完了通知に記載された注文番号を入力する
  2. DEPでデバイスにMDMサーバーを割り当てる(ABMの設定によっては自動割り当て可能)
  3. MDMでDEPサーバーとの同期を実施する(MDMの設定によっては自動同期可能)
  4. MDMでDEPサーバーから同期されたデバイスを確認する

STEP4 「ApplePush証明書登録」「DEPプロファイル作成」「デバイスにDEPプロファイルを割り当てる」

ApplePush証明書登録
  1. MDMからCSRをダウンロードする
  2. ApplePushPortalにCSRをアップロードする
  3. ApplePushPortalからApplePush証明書をダウンロードする
  4. MDMにApplePush証明書をアップロードする
DEPプロファイル作成
  1. MDMでDEPプロファイルを作成する
デバイスにDEPプロファイルを割り当てる
  1. MDMでデバイスにDEPプロパティを割り当てる
  2. MDMでDEPサーバーとの同期を実施する
  3. DEPにデバイスとDEPプロファイルの割り当て情報が反映される

STEP5 「MDMプロファイル作成」「デバイスにMDMプロファイルを割り当てる」

MDMプロファイル作成
  1. MDMでMDMプロパティを作成する
デバイスにMDMプロファイルを割り当てる
  1. MFMでデバイスにMDMプロファイルを割り当てる

STEP6 デバイスの初期設定検証

  1. デバイスの電源をいれて、初期設定開始
  2. DEPサーバーへ自動接続
  3. デバイスにDEPプロパティが自動ダウンロードされる
  4. MDMサーバーへ自動接続
  5. デバイスにMDMプロファイルが自動ダウンロードされる
  6. デバイスにポリシー反映
注意 デバイスがDEPサーバーに自動接続するタイミングは次の2つ
  • 初回電源オン後の初期設定の時
  • デバイス初期化後の初期設定の時

 その他

DEPサーバートークンとApplePush証明書は毎年更新が必要。

特にApplePush証明書は期限が切れた場合や別のAppleIDで証明書登録した場合には

MDMで管理不能になり、iOSデバイスの初期化が必要になります。あきらめなくても試合終了です。